ピースウィンズジャパン (以下PWJ) の設立は1996年にまでさかのぼります。これまでに世界36ヵ国で支援活動を行ってきました。
モットーは「必要な人々に必要な支援を」で、自然災害だけではなく、紛争や貧困などで苦しんでいる人々を対象に援助を行っています。
PWJの支援の特徴は、
- 自然災害などが起きた時にすぐに現場に駆け付け行う「緊急支援」(数週〜数年程度)
- その後の復旧を助ける「復興支援」(数ヵ月〜数年程度)
- 復興後の「開発支援」(数年〜数十年)
というように、段階別に複合的に行うところです。
そして、やはりここでも日本人ならではの災害支援のカタチが見て取れます。
【ブルキナファソにおける肝炎対策】肝炎対策が進んでいる日本だからこそできる肝炎対策支援
日本肝臓学会のデータによると、B型肝炎ウィルスの感染者は全世界で約3億5000万人もいるといわれています。
そして、このウィルス性肝炎が原因となって肝臓がんなどの他の病気を発症し、死亡するケースも増え続けています。
特に途上国における肝炎の感染者数増加は深刻で、西アフリカのブルキナファソでは国民の9.1%がB型肝炎ウィルスに、3.6%がC型肝炎ウィルスに感染しています。
しかしながら、この状況に対して国際的な支援は全く行われていません。そこで、ピースウィンズがこの難題に挑戦することになったのです。
日本は世界で最もウィルス性肝炎対策が進んだ国だといわれています。さらに、B型肝炎とC型肝炎の両方の「排除」を達成しうるのは日本しかいない、とまでいわれています。
ピースウィンズでは、日本におけるウィルス性肝炎の啓発活動「肝炎医療コーディネーター」育成活動をこのブルキナファソでも行えるのではないか、というところに目を付け、現地の肝炎対策団体と協力しています。
財政的な制約が大きいブルキナファソでは、医療体制の整備やワクチン接種などがスムーズに解決できるわけではありませんし、全員が医療を受けることができるわけでもありません。
しかし、この肝炎医療コーディネーター人材を育成することにより、肝炎の正しい理解や適切な予防方法のための知識をより市民レベルに広げることができます。
【未来につながる支援】ピースウィンズは国や地域が独り立ちしていけるようになるための支援を提供
ピースウィンズの支援は、こうして現地の人々が「自主的に」支援を行っていき、自分たちの手で自らの国を助けていくための援助をしているのです。
災害支援、そしてその後の復興活動は非常に長い道のりです。こういった「未来につながる」活動を行うことで、現地の人々が自主的に支援活動を行えるようになります。
災害の怖さと復興の難しさ、その両方を良く知る日本人だからこそできる、先を見据えた素晴らしい支援活動だと思います。
次回はセーブザチルドレンジャパンについて紹介していきます。